
遺言検認期日の風景~京都家裁~
2013年9月15日(日)
- テーマ:
- 裁判実務
以前、記事でご紹介した件の遺言検認期日に出席してきました。
(ご参考までに以前のブログ記事はこちら)
https://sugahara-legal.com/blog/saiban_jitsumu/110/
私自身が検認の「当事者」になったのは初めてで、また、家事事件手
続法改正後に検認手続きに関与したのも初めてだったので、検認期
日の様子をメモしておきます。
まず、検認申立てがなされると、原則として、家裁からすべての法定相
続人に対して、「通知書兼期日呼出状」が送付されます。
通知書兼期日呼出状を受領した法定相続人は、出席または欠席の回
答書を家裁に返送します。
そして、検認期日、遺言書原本を持参し、審判廷(ラウンドテーブル)
にて、裁判官1名と裁判所書記官1名立会いのもと、遺言書を開封し、
検認手続きをします。
(申立てから検認期日まで1ヶ月弱)
検認手続きの内容は筆跡等外形の審査です。
(有効無効・内容の審査ではない)
検認手続きは5分程度で終了し、その後さらに5分程度で検認済証(自
筆証書遺言原本の末尾に「検認済み」印を付したもの)の交付を受け
て帰りました。
一つ意外に思ったのは、呼出状に欠席回答を返して当日欠席した法
定相続人に対して、「検認完了通知」のような文書は特に送付されな
いという点です。
家裁担当者に確認したところ、法改正後はこのような取扱いなってい
るとのことでした。
もう一つ、遺言書を開封する際、普通のハサミで切るんだなと・・
これは半分ジョークですが。
以上、京都家裁の検認期日の風景でした。
(ご参考までに以前のブログ記事はこちら)
https://sugahara-legal.com/blog/saiban_jitsumu/110/
私自身が検認の「当事者」になったのは初めてで、また、家事事件手
続法改正後に検認手続きに関与したのも初めてだったので、検認期
日の様子をメモしておきます。
まず、検認申立てがなされると、原則として、家裁からすべての法定相
続人に対して、「通知書兼期日呼出状」が送付されます。
通知書兼期日呼出状を受領した法定相続人は、出席または欠席の回
答書を家裁に返送します。
そして、検認期日、遺言書原本を持参し、審判廷(ラウンドテーブル)
にて、裁判官1名と裁判所書記官1名立会いのもと、遺言書を開封し、
検認手続きをします。
(申立てから検認期日まで1ヶ月弱)
検認手続きの内容は筆跡等外形の審査です。
(有効無効・内容の審査ではない)
検認手続きは5分程度で終了し、その後さらに5分程度で検認済証(自
筆証書遺言原本の末尾に「検認済み」印を付したもの)の交付を受け
て帰りました。
一つ意外に思ったのは、呼出状に欠席回答を返して当日欠席した法
定相続人に対して、「検認完了通知」のような文書は特に送付されな
いという点です。
家裁担当者に確認したところ、法改正後はこのような取扱いなってい
るとのことでした。
もう一つ、遺言書を開封する際、普通のハサミで切るんだなと・・
これは半分ジョークですが。
以上、京都家裁の検認期日の風景でした。
遺言書の検認~申立権者の範囲~
2013年8月12日(月)
- テーマ:
- 裁判実務
個人的にちょっと面白いと思われる事例を担当しましたので、
ご紹介します(法律構成が面白いという意味です・・念のため釈
明)。
Aさんが自筆証書遺言を残して亡くなり、次いで間もなく妻のB
さんも亡くなってしまいました。
AB夫妻に子どもはなく、Aさんの母・Bさんの母がいずれも生存
されていますが、音信不通・長期入院等で、裁判事務に関与で
きる状況ではありません。
ここで、Bさんの兄であるCさん(相続人ではない)が遺言書を発
見し、その遺言書等を司法書士中西に保管させています。
さて、自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」手続きしなければな
らないというのは、実務家として基本中の基本ですね。
では、今回の事例で、誰が検認の「申立人」になるべきでしょう?
裁判も手続きである以上、「申立人の選定」は実務で意外と重要
な検討課題になることがあります。
法律上、検認の申立権者(申立義務者)は、第一に遺言書の保
管者、第二に遺言書を発見した相続人とされています。
「保管者」には「事実上の保管者」も含まれると解されています。
今回の事例では、結論としまして、「なりゆき」で回り回って「事実上
の保管者」となった司法書士中西が自ら検認の申立人になったので
した。
裁判書類作成ということで受託関与する予定であったところ、自ら
申立人になってしまったわけですね。
何となく、法律構成の「すわり」が悪い気がして躊躇もあったのです
が、管轄家裁に確認するとあっさりOKでした。
ややマニアックな話題で、ある程度の専門知識がなければ何の話か
よく分からないといったところでしょうが、いつの日かどなたかのお
役に立つことを願って事例紹介した次第です。
ご紹介します(法律構成が面白いという意味です・・念のため釈
明)。
Aさんが自筆証書遺言を残して亡くなり、次いで間もなく妻のB
さんも亡くなってしまいました。
AB夫妻に子どもはなく、Aさんの母・Bさんの母がいずれも生存
されていますが、音信不通・長期入院等で、裁判事務に関与で
きる状況ではありません。
ここで、Bさんの兄であるCさん(相続人ではない)が遺言書を発
見し、その遺言書等を司法書士中西に保管させています。
さて、自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」手続きしなければな
らないというのは、実務家として基本中の基本ですね。
では、今回の事例で、誰が検認の「申立人」になるべきでしょう?
裁判も手続きである以上、「申立人の選定」は実務で意外と重要
な検討課題になることがあります。
法律上、検認の申立権者(申立義務者)は、第一に遺言書の保
管者、第二に遺言書を発見した相続人とされています。
「保管者」には「事実上の保管者」も含まれると解されています。
今回の事例では、結論としまして、「なりゆき」で回り回って「事実上
の保管者」となった司法書士中西が自ら検認の申立人になったので
した。
裁判書類作成ということで受託関与する予定であったところ、自ら
申立人になってしまったわけですね。
何となく、法律構成の「すわり」が悪い気がして躊躇もあったのです
が、管轄家裁に確認するとあっさりOKでした。
ややマニアックな話題で、ある程度の専門知識がなければ何の話か
よく分からないといったところでしょうが、いつの日かどなたかのお
役に立つことを願って事例紹介した次第です。
裁判費用は高すぎるのか??
インターネットニュースで「民事裁判費用高すぎる」というタイトルの記事が
目に留まりました。
(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130629/trl13062916580003-n1.htm
身近な街の法律家として本人訴訟支援や少額訴訟に積極的に関与している
司法書士の立場でこの記事を読んで、少し違和感を覚える箇所もあります。
そこで、あらためて裁判費用についてご説明します。
世間一般的に考えられている「裁判費用」とは、
1.裁判所に対して支払う費用(実費)
2.弁護士・司法書士等専門家に依頼した場合の報酬
の合計金額を示すものと思われます。
まず、裁判所に対して支払う費用は、
・訴状に貼付する収入印紙代(裁判所公式HP)
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/315004.pdf 及び
・予納郵券と呼ばれる切手代です。
(同上、大阪府下地裁・簡裁通常訴訟の予納郵券)http://www.courts.go.jp/osaka/vcms_lf/30203001.pdf
いずれも原則として原告側のみが支払う費用です。
仮に、訴額100万円の通常訴訟を提起する場合、
・収入印紙代 1万1,000円
・予納郵券 4,800円
合計1万5,800円の実費を原告側が負担します。
どう思われますか?高すぎますか??
記事では「訴額1億円の通常訴訟を提起する場合に32万円の収入印紙代が
かかる」という例が示されていますが・・
「1億円の訴訟」というのは一般市民感覚を離れており、やや極端な例示であ
るように感じます。
さらに言うと、同じ司法書士業務で、登記申請の際に法務局に納める収入印
紙代はもっとずっと高いですから・・
次に、専門家に依頼した場合の報酬はケース・バイ・ケースですが、司法書士
の視点から見れば、司法書士による本人訴訟支援(裁判書類作成)の活用に
より訴訟コストを削減するという手段にもぜひ注目いただきたいと感じます。
(当事務所公式HP関連記事)
https://sugahara-legal.com/service/saiban/ https://sugahara-legal.com/service/saibanshorui/
当事務所の場合、訴額100万円の通常訴訟の訴状作成手数料は3万円程度です。
もちろん、司法書士のみならず、弁護士さんも従前のように硬直的な報酬基準を
設定されてはいないので、私の提携先の先生などは、事情を酌んで、かなり良心
的な報酬で受任に応じていただけることもあります。
個人的意見として、裁判費用が高すぎるというのはあまり実感を伴うものではあ
りません。
やや短絡的なニュースを一般市民の方が見て、「ああそうなのか。日本の裁判費
用は高いのか・・」というイメージを抱いてまうことの方に危惧を覚えます。
目に留まりました。
(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130629/trl13062916580003-n1.htm
身近な街の法律家として本人訴訟支援や少額訴訟に積極的に関与している
司法書士の立場でこの記事を読んで、少し違和感を覚える箇所もあります。
そこで、あらためて裁判費用についてご説明します。
世間一般的に考えられている「裁判費用」とは、
1.裁判所に対して支払う費用(実費)
2.弁護士・司法書士等専門家に依頼した場合の報酬
の合計金額を示すものと思われます。
まず、裁判所に対して支払う費用は、
・訴状に貼付する収入印紙代(裁判所公式HP)
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/315004.pdf 及び
・予納郵券と呼ばれる切手代です。
(同上、大阪府下地裁・簡裁通常訴訟の予納郵券)http://www.courts.go.jp/osaka/vcms_lf/30203001.pdf
いずれも原則として原告側のみが支払う費用です。
仮に、訴額100万円の通常訴訟を提起する場合、
・収入印紙代 1万1,000円
・予納郵券 4,800円
合計1万5,800円の実費を原告側が負担します。
どう思われますか?高すぎますか??
記事では「訴額1億円の通常訴訟を提起する場合に32万円の収入印紙代が
かかる」という例が示されていますが・・
「1億円の訴訟」というのは一般市民感覚を離れており、やや極端な例示であ
るように感じます。
さらに言うと、同じ司法書士業務で、登記申請の際に法務局に納める収入印
紙代はもっとずっと高いですから・・
次に、専門家に依頼した場合の報酬はケース・バイ・ケースですが、司法書士
の視点から見れば、司法書士による本人訴訟支援(裁判書類作成)の活用に
より訴訟コストを削減するという手段にもぜひ注目いただきたいと感じます。
(当事務所公式HP関連記事)
https://sugahara-legal.com/service/saiban/ https://sugahara-legal.com/service/saibanshorui/
当事務所の場合、訴額100万円の通常訴訟の訴状作成手数料は3万円程度です。
もちろん、司法書士のみならず、弁護士さんも従前のように硬直的な報酬基準を
設定されてはいないので、私の提携先の先生などは、事情を酌んで、かなり良心
的な報酬で受任に応じていただけることもあります。
個人的意見として、裁判費用が高すぎるというのはあまり実感を伴うものではあ
りません。
やや短絡的なニュースを一般市民の方が見て、「ああそうなのか。日本の裁判費
用は高いのか・・」というイメージを抱いてまうことの方に危惧を覚えます。
成年後見申立て管轄はどちら?~住所と居所~
ちょっとクイズです。
家事事件手続法第117条第1項
後見開始の審判事件は、成年被後見人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判
所の管轄に属する。(一部省略)
さて、被後見人Aさんについて、住民票上の住所は大阪府ですが、現在は兵庫県の
病院に長期入院しています。
成年後見の申立ては大阪or兵庫いずれの家裁の管轄に属するのでしょうか?
答えは、兵庫の家裁です。
家事事件手続法上の「住所地」は、民法第22条に従い「生活の本拠地」と解釈すべ
きことになります。
そうすると、Aさんは兵庫県の病院に「長期入院」しているので、病院が生活の本拠
地と見られるため、病院所在地の家裁管轄になるという思考回路です。
逆に言うと「一時入院」であれば、そこが生活の本拠地とまでは見られないので、もと
の自宅等所在地の家裁管轄になるでしょう。
このように、「住民票上の住所」と「法律上の住所」とでは、必ずしもイコールになら
ない場合もありますので、注意が必要です。
なお、以上は、先日、実際に似たようなケースを担当して神戸家裁本庁の後見係に
意見照会した回答にもとづく見解です。
そんなわけで、私としては、久しぶりに兵庫の家裁にて申し立てになりました。
ローカルルール(?)が存在し、大阪家裁と較べて、即日面談の進め方等が違い、
少し違和感も感じつつの手続きになっています。
やはり「いつもと違う」管轄や提出先の際は、あらかじめ要確認ですね。
成年後見制度の詳細はコチラ>>
成年後見のご依頼をお考えの方はコチラ>>
家事事件手続法第117条第1項
後見開始の審判事件は、成年被後見人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判
所の管轄に属する。(一部省略)
さて、被後見人Aさんについて、住民票上の住所は大阪府ですが、現在は兵庫県の
病院に長期入院しています。
成年後見の申立ては大阪or兵庫いずれの家裁の管轄に属するのでしょうか?
答えは、兵庫の家裁です。
家事事件手続法上の「住所地」は、民法第22条に従い「生活の本拠地」と解釈すべ
きことになります。
そうすると、Aさんは兵庫県の病院に「長期入院」しているので、病院が生活の本拠
地と見られるため、病院所在地の家裁管轄になるという思考回路です。
逆に言うと「一時入院」であれば、そこが生活の本拠地とまでは見られないので、もと
の自宅等所在地の家裁管轄になるでしょう。
このように、「住民票上の住所」と「法律上の住所」とでは、必ずしもイコールになら
ない場合もありますので、注意が必要です。
なお、以上は、先日、実際に似たようなケースを担当して神戸家裁本庁の後見係に
意見照会した回答にもとづく見解です。
そんなわけで、私としては、久しぶりに兵庫の家裁にて申し立てになりました。
ローカルルール(?)が存在し、大阪家裁と較べて、即日面談の進め方等が違い、
少し違和感も感じつつの手続きになっています。
やはり「いつもと違う」管轄や提出先の際は、あらかじめ要確認ですね。
成年後見制度の詳細はコチラ>>
成年後見のご依頼をお考えの方はコチラ>>
離婚と父子関係~大阪司法書士会 家族法研究会~
大阪司法書士会の「家族法研究会」に所属しています。
大阪司法書士会公認の研究会で、有志の司法書士がテーマを決めて月一回
集まり、家族法について、日常業務よりも一歩踏み込んで研究・議論します。
大阪大学の有名な教授をチューターにお招きしているのも当会の特色です。
司法書士であれば当然、「家族法」を受験勉強として一通り勉強しますし、日常
業務でもそこそこ経験値を上げてきたつもりですが、いざ学問として掘り下げて
みると、自分がいかに「分かったつもり」であったか、「深いねぇ」と毎度痛感させ
られます。
ところで、今年度は「離婚と父子関係」を大テーマに、平成25年2月16日、主に
司法書士会員向けの「研究発表会」が控えており、現在準備に大忙しです。
私の担当する小テーマは「面会交流」です。
離婚後、離れて暮らすことになった親と子どもが、たとえば「月1回会う約束を
する」といった取決めのことです。
その準備の中で、面会交流に関する京都家裁の取り組みとして、面白い記事を
見つけましたので、ぜひ読んでみてください。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130129-00000134-san-soci
記事を読むと、家庭裁判所は、本当に温かみのある素敵な役所だなと思います。
大阪司法書士会公認の研究会で、有志の司法書士がテーマを決めて月一回
集まり、家族法について、日常業務よりも一歩踏み込んで研究・議論します。
大阪大学の有名な教授をチューターにお招きしているのも当会の特色です。
司法書士であれば当然、「家族法」を受験勉強として一通り勉強しますし、日常
業務でもそこそこ経験値を上げてきたつもりですが、いざ学問として掘り下げて
みると、自分がいかに「分かったつもり」であったか、「深いねぇ」と毎度痛感させ
られます。
ところで、今年度は「離婚と父子関係」を大テーマに、平成25年2月16日、主に
司法書士会員向けの「研究発表会」が控えており、現在準備に大忙しです。
私の担当する小テーマは「面会交流」です。
離婚後、離れて暮らすことになった親と子どもが、たとえば「月1回会う約束を
する」といった取決めのことです。
その準備の中で、面会交流に関する京都家裁の取り組みとして、面白い記事を
見つけましたので、ぜひ読んでみてください。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130129-00000134-san-soci
記事を読むと、家庭裁判所は、本当に温かみのある素敵な役所だなと思います。
すがはら法務事務所からの
お知らせ
- 2025.1.6
今年もよろしくお願いします - 2024.1.5
謹賀新年 - 2023.12.28
今年もありがとうございました - 2023.8.1
お盆期間の営業予定 - 2023.4.3
GWの営業予定
取扱業務一覧
相談内容を探す
- 本人訴訟と裁判書類作成等支援
- 相続に関する法手続きチェックリスト
- クーリングオフ・悪質商法対策
- 債務整理(借金整理)の手続き
- 過払い金の返還請求手続き
- 少額訴訟について
- 債権回収の手段としての支払督促手続き
- 老後の安心‥成年後見制度
- 任意後見制度・老後の安心プラン
- 株式会社・合同会社の設立
- 定款変更・諸規則の見直し
- 離婚手続き
- 抵当権(住宅ローン)抹消登記
- 新・中間省略登記
- 各種契約書の作成
- 賃貸トラブル・建物明渡し請求
- 敷金返還請求
- 土地・建物の名義変更
コラム
- 一年間ありがとうございました
- 開業10年
- 謹賀新年
- 一年間ありがとうございました
- 開業9年
- がんばろうOSAKA
- 新型コロナウイルス関連・事業者向け助成金等まとめ
- 開業8年になりました
- 謹賀新年
- 本年もありがとうございました

「すがはら法務事務所」のご案内
詳しいご案内は、こちら

Copyright(C) 2012- Sugahara Legal Office. All Rights Reserved.