2013年9月のブログ

すがはら法務事務所ブログ

台湾渉外不動産登記その2~登記簿の表記~

先の記事の続編です。
(先の記事はこちら)
https://sugahara-legal.com/blog/touki_jitsumu/123/
台湾在住の台湾人の方の住所が不動産登記簿にどのように反映さ
れるのか、気になるところでした。

まず、前提として、登記申請に添付する際の住所証明書(その訳文)
の記載に従って登記するのが原則ですが、「国名」は住所証明書に
記載されません。

日本国の住民票も市区町村又は都道府県から始まり、「日本国」の
文字は入りませんよね。

さて、台湾の国名を不動産登記する際に、
1.中華民国
2.台湾
3.中国台湾省
などの表記が可能性として挙げられます。

当方は、ダメ元で「中華民国台北市・・」で登記申請してみましたが、
後日、法務局から電話が入り、「台湾台北市・・」で登記しますねとの
ことでした(平成25年9月12日登記・大阪法務局)。

台湾渉外不動産登記その1~住所証明書~

※下記の取扱いについては、平成27年3月24日付で法務局 から発出された公式見解により、変更されました。 変更の経緯等は平成27年8月13日付の本ブログ記事に記載 しています。 過去の参考記事として、あえて削除することなく残しておりま すので、ご注意ください。
台湾在住の台湾人の方を買主とする不動産売買登記を初め
て担当しました。
(日本における一般的な「台湾」の国名表記を使用します)

この内容のブログ記事は検索するといくつかヒットしまして、
当方でも参考にさせていただいたのですが、あらためて大阪で
の最新情報ということでアップします。

まず、台湾は「印鑑証明書」という制度が存在する数少ない国
の一つです。

この印鑑証明書に本人の住所が記載されるため、日本国不動
産登記法上の買主(登記権利者)の住所証明書として適格性を
有します。

但し、台湾と日本に正式な国交が無いためか、台湾で発行され
た印鑑証明書を日本の法務局等に提出する際には、「証明書で
あることの証明」を受ける必要があります。
(平成25年7月24日大阪法務局照会済)

「証明書であることの証明」の手順は次のとおりです。

1.台湾国内での手続き
・法院又は民間公証処における認証
・外交部領事事務局で再認証

2.日本国内での手続き
・台北駐大阪経済文化弁事処で再々認証

以上、印鑑証明書にさらにプラス3回の認証を経る必要がある
のですね。

ちなみに、日本国内で発行された証明書を海外で使用する際に
も、逆に、同様の手順を要求される場合があります。
(外務省公式HP)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/
今回、台湾国内の手続きは当事者自身で済ませてもらい、日本
国内の手続きは当方で代行しました。

事務の詳細について台北駐大阪経済文化弁事処に電話したところ、
同様の問い合わせが多いのか、あっさり「手続きマニュアル」のよう
なものをFAXいただくことが出来て助かりました。

日本国内の認証手続き代行に際して特に注意すべき点は次のとおり
です。
・本人自署の委任状が必要
・自署はパスポート(写)の署名欄と照合する
・本人の電話番号が必要(これは必要な理由がよく分からないが・・)
費用は1通1,500円で、原則、申請の翌日に認証が上がります。

台湾国内の事務の詳細は分かりませんが、当方から指示後、2回の認
証が上がってくるまで1ヶ月以上かかりました。
このため、反対当事者である売主様側に二度手間を強いてしまう場面
が出てしまいました(印鑑証明書の再取得など)。
実務現場では、そのあたりのスケジューリングについてのアドバイスも
大事かもしれないですね。

以上、本日現在、大阪の情報であることに再度ご留意ください。

遺言検認期日の風景~京都家裁~

以前、記事でご紹介した件の遺言検認期日に出席してきました。

(ご参考までに以前のブログ記事はこちら)
https://sugahara-legal.com/blog/saiban_jitsumu/110/
私自身が検認の「当事者」になったのは初めてで、また、家事事件手
続法改正後に検認手続きに関与したのも初めてだったので、検認期
日の様子をメモしておきます。

まず、検認申立てがなされると、原則として、家裁からすべての法定相
続人に対して、「通知書兼期日呼出状」が送付されます。

通知書兼期日呼出状を受領した法定相続人は、出席または欠席の回
答書を家裁に返送します。

そして、検認期日、遺言書原本を持参し、審判廷(ラウンドテーブル)
にて、裁判官1名と裁判所書記官1名立会いのもと、遺言書を開封し、
検認手続きをします。
(申立てから検認期日まで1ヶ月弱)

検認手続きの内容は筆跡等外形の審査です。
(有効無効・内容の審査ではない)
検認手続きは5分程度で終了し、その後さらに5分程度で検認済証(自
筆証書遺言原本の末尾に「検認済み」印を付したもの)の交付を受け
て帰りました。

一つ意外に思ったのは、呼出状に欠席回答を返して当日欠席した法
定相続人に対して、「検認完了通知」のような文書は特に送付されな
いという点です。

家裁担当者に確認したところ、法改正後はこのような取扱いなってい
るとのことでした。

もう一つ、遺言書を開封する際、普通のハサミで切るんだなと・・
これは半分ジョークですが。

以上、京都家裁の検認期日の風景でした。

住所変更登記と上申書と登記済証

不動産登記手続きで、たとえば、土地建物を売却する際に、
売主の登記簿上の住所(購入当初の住所)と現住所が異なる
場合、売買による所有権移転登記の前提として、住所変更登
記を申請する必要があります(なお、通常は連件申請で所有権
移転登記と同時に申請します)。

住所変更登記は業界用語でよく「名変(めいへん)登記」と言い
ます。
旧不動産登記法で「登記名義人表示変更登記」という手続き名
称であった名残でしょう。

名変登記は結構奥が深く、「名変が分かれば司法書士実務者と
して一人前」などと言われることもあるくらいです。

さて、住所変更登記を申請する際には、住所変更の経緯が分か
る前住所記載の住民票または戸籍附票を添付する必要があり
ます。

ところが、上記のいずれも市区町村役場における保存期間が5年
と短いので、住所を転々とされているような方の場合、経緯が分
かる証明書類の一部が廃棄済みで発行されないことが少なくあ
りません。

このような場合、「上申書」を提出して代替書類とします。

上申書に決められた様式はありませんが、「相違ありません」と
いう誓約のような文言を入れるのが一般的だと思います。

上申書には、本人の実印を押印し、印鑑証明書を添付し、さらに
「登記済証」も添付するのが通例です。
結局、法務局として「住所は変わったけれども間違いなく本人で
ある」ということが確認できれば良いので、まあ登記済証を保有
している人は本人である可能性が限りなく高いよねという趣旨で
しょう。

今回、この記事を書いた理由は、この上申書添付の登記済証は
「写しのみ」提出でOKと理解してこれまで処理してきたのですが、
先日はじめて「原本も」提出を求められたからです。

知り合いの司法書士にも聴いてみたところ、最近同じことを言われ
たとのことでした。

(たかが?)住所変更登記に登記済証の原本も添付するのは違和感
があり、事案によっては依頼者から預かりにくい雰囲気のこともあると
思うのですが・・

結局、上申書は法定書類ではなく、イレギュラーな取扱いレベルの
話なので、担当登記官に提出を求められたら従うしかないというこ
とになります。

非常に細かい話ですが、専門家が依頼者からある書類の原本を預か
るか否かの判断は、時に取り返しがつかない結果を招くことになるの
で注意が必要です。

ということで、情報提供も兼ねて記事にしました。

速報~「婚外子」相続差別は憲法違反~

注目の裁判、最高裁で違憲決定が出ました。

現行民法900条第4号但書
「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし・・」

嫡出子とは婚姻関係にある男女から生まれた子のことです。

最高裁は、上記規定が憲法の平等原則に違反すると判断しました。

受験生の頃は上記規定の趣旨は「法律婚の推奨」などと学習した気がしま
すが、男女関係も多様化しているという時勢を反映した判決でしょう。

決定の原文には未だ目を通せていませんが、速報アップしておきます。

(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0401A_U3A900C1000000/?dg=1

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